なぜ聞く力?
もっと話せるようになるには、耳を鍛えよう。
多くの学習者は、話す練習を「話すこと」でしようとします。でも、口にできる言葉は、聞き取れる言葉から生まれます。語学学習者の研究も、繰り返し同じ方向を示しています。耳で知っている語彙のほうが、文字で知っている語彙よりも、話す力をよく予測するのです。
0.71
ある研究で、リスニング語彙テストの得点と IELTS スピーキングの得点の間に見られた相関です。「この単語を聞いてわかりますか?」と尋ねるだけのテストとしては、強い結びつきです。
研究でわかったこと
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聞き取れる単語は、話す力と連動する
英語学習者が単語を一つずつ聞き、それぞれ知っているかどうかを答えました。このリスニングテストの得点と IELTS スピーキングの得点の相関は 0.71。一度も単語を口に出させないテストとしては、強い結びつきです。
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関係していたのは話し言葉の語彙、書き言葉の語彙ではなかった
英語を学ぶ大学生46人が、同じ語彙テストを筆記と音声で1回ずつ受け、そのあと物語を声に出して語りました。音声での語彙の得点は、流暢さから発音まで、スピーチのほぼすべての評価と関連していました。一方、筆記での得点は、どの評価とも関連していませんでした。
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文字で知っている単語=耳で知っている単語、ではない
学習者の語彙を文字と音の両方で測ると、その大きさは大きく異なることがあります。筆記テストでは、会話で実際に聞き取れる単語の数を多く見積もりすぎたり、耳でしか知らない単語を見落としたりすることがあるのです。
なぜ、耳が先なのか
- 会話は、話すスピードで進む
- 本物の会話では、読み返すことはできません。速くつながった音声の中から単語を聞き取れなければ、答えることもできませんし、自分の番が来たときにその単語を使える可能性も低くなります。
- 話す言葉は、聞いた言葉
- 話すときに使うリズムや音、決まった言い回しは、何度も何度も聞いてきたものです。そのもとになるのが、リスニングです。
- 読むだけでは、別の単語を覚えている
- 読んだことしかない単語は、音ではなくつづりと一緒に記憶されます。本物の会話の中で、いろいろな声で聞くことで、はじめて声に出して使える単語になります。
Catch That の耳トレーニング
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本物の会話を、本物のスピードで
教材用にゆっくり録音した音声ではなく、ネイティブ向けのポッドキャストで練習できます。
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音と言葉を、いっしょに
ライブ字幕が音声に合わせて一語ずつ進むので、それぞれの音がどの単語なのかが結びつきます。
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すべての文をシャドーイング
一文ごとに再生が止まって繰り返されるので、もう一度聞いて、声に出して言えます。
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本当に聞き取れたかを確かめる
クリップ練習では、ほかのエピソードの一文を流して、それを組み立て直してもらいます。耳の弱いところが、はっきり見えてきます。
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同じ単語を、いろいろな声で
「ここでも聞ける」では、学んでいる単語を、ほかの人が、ほかの文の中で話すのを聞けます。
研究が言っていないこと
これらの研究が測っているのは、リスニング語彙と話す力がどれだけ密接に連動しているかです。一方がもう一方の原因であることを証明したわけではなく、対象の多くは英語学習者でした。話す練習も、もちろん大切です。それでも、どんな語彙を身につける価値があるかを知りたいなら、研究が指し示しているのは、耳で聞き取れる単語です。
参考文献
- Milton, J., Wade, J., & Hopkins, N. (2010). Aural word recognition and oral competence in English as a foreign language. In R. Chacón-Beltrán, C. Abello-Contesse & M. Torreblanca-López (Eds.), Insights into Non-native Vocabulary Teaching and Learning (pp. 83–98). Multilingual Matters. https://doi.org/10.21832/9781847692900-007
- Uchihara, T., & Clenton, J. (2023). The role of spoken vocabulary knowledge in second language speaking proficiency. The Language Learning Journal, 51(3), 376–393. https://doi.org/10.1080/09571736.2022.2080856
- Milton, J., & Hopkins, N. (2006). Comparing phonological and orthographic vocabulary size: Do vocabulary tests underestimate the knowledge of some learners? The Canadian Modern Language Review, 63(1), 127–147. https://doi.org/10.3138/cmlr.63.1.127